着物を着る機会

機会

お茶の先生をしておられた方が亡くなられ、形見にと着物を数枚頂くことになりました。
その方のご主人が、4本ある大きなタンスにしまわれた無数の着物の中から好きなのを好きなだけ持って帰ってもよいと仰るので、つい夢中で好きな柄の着物を選ばせて頂きました。
無論着物の価値はおろか、格などの基本的な知識もなかったので本当に洋服を選ぶように好みの柄に絞って数枚を選ばせて頂きました。
大切な奥様の形見の着物を頂いたので、大切に着させて頂こうとその時は思っていました。
しかし、いざ自分の物になってみると着物を着る機会というのは本当にないものだとすぐに気がつきました。
気楽に自分で着つけられるはずもなく、かと言ってタンスの肥やしにするのはあまりにもったいないと悶々としていたのです。そこで、着る機会がないなら着る機会を作ろうと思い立ち、着物好きの知人に相談をしてみました。
着物好きの友人には着物好きの友人がいるもので、その友人の方が定年退職をされるので着物を着てお祝いの食事をしようということになりました。
思ったよりも早く着物を着る機会が訪れて、私はやっと形見に頂いたことに対して報いることができるような気持になりました。
当日、それぞれに着こなした華やかな着物姿で食事をした後、近くの川べりを三人で歩きました。
洗練されたカフェなども立ち並ぶような観光地化された場所で、気持ちよく晴れた日差しの中で着物姿の私達三人は、観光している方達が時折振り向く程に目立ちました。
定年退職をされた友人の方は着物を着る機会ができたことをとても喜んで下さり、私達もとても嬉しく思いました。
同時に形見に頂いた着物をそんな形で生かすことができて私自身もとても気持ちがよかったのです。
自己満足かもしれませんが、着物を着ることで喜んで下さる方がいて、自分が着物を着られて嬉しい以上に喜ばしい出来事でした。
着物の力、なのでしょうか。今後も着物の力を借りる機会を積極的に作っていきたいと思いました。

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